お口と睡眠・呼吸機能に関するご相談
大学病院での長年な研究・臨床経験からお口と睡眠・呼吸に関する治療および指導を行っています。
代表的な呼吸障害である睡眠時無呼吸症候群 (OSA)は欧米では今や国民病の一つに挙げられ、根深い生活習慣病と捉えられています。
日本も直ちにというわけではありませんが、食生活やライフスタイルの欧米化から同じような一途をたどることが考えられ、対応が急務となってきます。私の得意とする「OSAの口腔内装置治療が歯列や咬合に与える副作用」について、精力的に国内外で発表してきた実績があり、専門学会にも認知されています。
学童期のお子さまでは、歯ならび・噛み合わせの治療を行うことにより、睡眠呼吸障害の改善が認められたケースが報告されています。歯ならびの形が極端に狭い場合、歯列を広げることでお口の容積を増大させることに寄与し、舌（べろ）の後方への押し込みを防げる可能性があります。
また下あごの小さい患者さまに使用する上下型マウスピース装置は、下あごを前方へ成長させる働きがあり、装置装着中や、治療後も気道の拡大が確認され、睡眠呼吸機能の改善を認めることがわかっています。
以上のことで、睡眠中のいびきや息苦しさなどの睡眠呼吸障害は中年期以降に目立ってきますが、あごが小さいかみ合わせを子どもの頃から治療することで、将来の睡眠呼吸障害のリスクを軽減できる可能性が期待できます。
