飲酒、喫煙に加え、歯が少ない人は口腔咽頭がんの死亡リスクが高いことが東京科学大学(旧東京医科歯科大学)の木内助教らの研究でわかったそうです。臨床の上で飲酒、喫煙が歯科矯正治療へ与える直接的影響は少ないかもしれませんが、私のもう一つの専門である睡眠呼吸機能については大いに関係があります。飲酒や喫煙によって咽頭・扁桃器官(口の奥からのど)の毛細血管などの膨張、肥大化によって咽頭部の狭窄につながり、息がしづらくなります。喫煙は肺も含めた呼吸機能全体に影響を及ぼすことは自明であり、過度な飲酒も上記理由以外に浅い眠りに代表される睡眠の断裂(何度も目が覚める)など、睡眠の質の低下を招くことが知られています。そのため治療として飲酒量の制限や、飲酒時間を夕方までにするといった生活指導が行われることも大変有効だとされています。また睡眠時無呼吸症候群(過度ないびきから息のひっかかり、呼吸停止)の歯科的治療として口腔内装置(マウスピース)が有効なことが知られていますが、治療の前提条件として十分な本数の歯があること、そして歯だけではなく、歯ぐきやその裏にある骨がしっかりしていないと装置を長期的にはめることが出来ません。口腔咽頭がんに限らず、歯科矯正も睡眠時無呼吸も歯の健康あってのことなので今後の研究発展に期待したいところです。(2026年4月17日)